五線譜に描いた夢 日本近代音楽150年の歴史

東京オペラシティアートギャラリーの展覧会「五線譜に描いた夢 日本近代音楽150年の歴史」を観てきました。

 

150年前、明治維新。外国の音楽も日本にやってきました。黒船のペリーは黒船に20数名の軍楽隊を乗せてきたきたそうです。その演奏をはじめて聴いた当時の日本人が、どんなふうに驚いたり、感動したりしたのか、想像するのは面白いことです。明治学院大学日本近代音楽館が所蔵する貴重な資料がたくさんありました。明治政府が西洋音楽を教育に取り入れて今日に至るまでを概観できました。鎖国の後にやってきた西洋の音楽に、びっくりしたり、一所懸命勉強したり、、いいことも、悪いことも、様々な出来事がありあったわけです。「昭和の戦争と音楽」という展示コーナーの中には、「音楽は軍需品なり」という本もありました。

今、西洋で生まれた音楽を楽しんだり、学んだりすることが当たり前のようになっている私たち。音楽はいつも歴史や時代とともにあって、今日に至るということを改めて感じました。

 

展覧会をみた後、オペラシティ・リサイタルホールで「舟木善麿ピアノリサイタル」を聴かせていただきました。

 

ご本人がプログラムに書かれているところによると、「ホビーピアニスト」。

80歳になられたそうです。ベートーヴェン、ショパン、モーツァルトを繊細に、大切に弾いていらっしゃって、本格的な大人の演奏でした。大人の演奏というのは、つまりどんなにテクニックのあって優秀でも、子どもには真似できない、たとえば高校生には絶対弾けない弾き方がある、ということです。演奏は、先天的な才能、音楽的な勘とか、に加えて、環境と努力と、さらに如何に美しいものをみたり、聴いたりしてきたかという人生の経験からできている、と思いました。素敵な演奏会でした。

 

「ホビーピアニスト」。私の周りに実はたくさんいらっしゃいます。ホビーだから、趣味だから、いい加減で良い、ということは決してなくて、それぞれがご自分のできることすべてを反映させています。リサイタルプログラムを組めるほどではなくても、ずっとピアノを弾く時間を楽しめますように。