ブルグミュラー「せきれい」

ブルグミュラー作曲「25の練習曲」。

 

 

ピアノのレッスンで、必ずと言ってもいいほど使われる練習曲集。その中に「せきれい」という曲があります。子どもたちも、大学生も「せきれい」とは何か、なかなか想像できません。(最近のアニメにセキレイが登場するものがあるようで、そのアニメを知っている場合を除く。)

 

「せきれい」が小鳥だ、ということがわかると、ピアノの弾き方が変わります。それまで、しっかり、ゆっくり弾いていた人も、軽やかに、かわいらしい感じで弾こうとするからです。自ずとテンポも、タッチも変わります。イメージを持って弾くことの大切さを感じます。

 

ずいぶん長い間、「国学院大学幼児教育専門学校」で非常勤講師をしていました。この学校は今年の3月閉校になってしまいました。私の仕事はその前年、2年生の卒業と同時に終わり、一つの学校がなくなる寂しさを味わいました。非常勤講師の私ですら寂しく感じるのですから、母校を失う卒業生、熱心に指導されてきた専任の先生がたはもっと悲しい思いをされたことでしょう。

この学校で、幼稚園教諭の免許を取得するためのピアノのレッスンをしていました。学生さんたちは全くの初心者から、子どものころからずっとピアノを習っている人まで様々でした。ブルグミュラーも教材にしていたことがあって、

ある時、「せきれい」を練習してきた学生に「せきれいって何?」と質問ました。当時グループレッスンだったので、後ろで聴いていた、たしか中山さんという女の子が「せきれい」について詳しく説明しはじめて、びっくりしたことを今でも時々思い出します。「ハクセキレイ」と「セグロセキレイ」の違いや、多摩川にもいることや、「せきれい」について自由研究で調べたことを教えてくれました。

以来、私も「せきれい」についてすこしわかるようになりました。秋の季語でもあるそうです。